愛知県スポーツ局スポーツ振興課
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BLOG

女性スポーツライター・光田さやかの
“はじめてさんのスポーツ観戦NAVI!” vol.6

高校生たちの熱い夏!
「平成30年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)ボート競技大会」現地レポート

こんにちは!愛知県を中心にライターとして活動している、光田さやかです。
今年一年、県内で行われる主要スポーツ大会の観戦ポイントに加え、「観戦ファッション」や「会場グルメ」などにも視野を広げて、女性ならではの目線で楽しむ、スポーツ大会観戦法をレポートしていきます!どうぞよろしくお願いいたします!

皆さん!夏ですね!!
連日気温がとんでもない数値をたたき出していますが…
ライター光田は思ったよりも頑丈なようです(笑)。
暑さに負けず、あちこちで行われているスポーツの大会や試合にお邪魔しています!

今回レポートするのは…
ボート競技!
しかも、インターハイです!!

愛知県東郷町にある愛知池漕艇場 東郷コースで行われた大会の準決勝、決勝に密着してきました!
ボート競技といっても、何人乗りか、また「コックス」と呼ばれる舵手がいるかいないか、オールが1本か2本か…
などによって、細かく分類されます。

インターハイでは、

男女シングルスカル(一人乗り)
男女ダブルスカル(二人乗り)
男女舵手つきクォドルプル(漕手四人と舵手の計五人)

の種目が行われます。


また、1900年の第2回オリンピックから正式種目にもなっており、競技としてその歴史はとても長いのだそう。
公園の池などで見る優雅なボートとは違い、とにかく漕ぎ続けなくてはならない体力と、いつスパートをかけるか相手の出方をうかがう頭脳の、どちらも必要な競技なのです。

ダブルスカル、クォドルプルは、漕ぎ手の息を合わせることも大切!
チームワークにも注目します!

この日は、午前7:30~準決勝、午後0:20~決勝。
熱中症対策ということもあり、予定より一時間半早く進められました!
準決勝に備える高校生の皆さん。
これまでが大人のスポーツ観戦だっただけに、目に映る光景がちょっと新鮮ですね。

この日のために、血のにじむようなトレーニングを積んできた彼ら。
全国各地から、ここ愛知県にやってきたのです。
いつもは、試合前にもどんどんインタビューにアタックする私ですが、
この日は選手達の真剣な雰囲気に押されて、なかなか声をかけられませんでした。

日差しが強く照り付け始めた午前7:30。
シングルスカル(女子・男子)→ダブルスカル(女子・男子)→舵手つきクォドルプル(女子・男子)の順で準決勝が行われました。

コースは、全長1000m。
きらきらと反射を繰り返す水面に、6艇のボートが力強くスタートしていきます。

普通、スポーツといえば、「ゴールに向かって前進する」のですが、
ボート競技は違います。

目指すゴールは、自分の背中の、その先。
「見えない1000m先」に向かって、まっすぐ、ひたすらに、漕いでいくのです。
地元・愛知県からは、猿投農林高校の選手が女子シングルスカル、男子シングルスカルで準決勝に進んでいます!
悔いの残らないようがんばってほしいですね!

さてさて、会場全体に目を向けてみますと…。
今回はインターハイ関連のグッズが盛りだくさんでした!
Tシャツやタオルなどは、柄もサイズも豊富!
おみやげの定番・プリントクッキーや、SNS映えしそうなキャンディー^^

無料でネームを入れてくれるお店を発見!
しかもミシンで手動です。
熟練の技!
フリーハンドであっという間に完成^^
スポーツドリンク!
冷え冷えでありがたいですね!
ボランティアスタッフの高校生も、それぞれの持ち場で頑張っていましたよ!
お揃いの水色のTシャツが夏の日差しに映えますね。
「インターハイという貴重な大会を、間近で見たいと思って参加しました!」
「選手の皆さんが安心して競技に臨めるように、笑顔と挨拶を絶やさずに頑張ります!」
との声が^^

さわやかでいいですね!
暑いから、しっかり水分摂って頑張ってねー^^

このブログを始めてから、大会の運営にはボランティアスタッフさんがとっても大切な役割を担っているということがわかりました。
選手の物理的・心理的サポート、会場の設営や受付など、なくてはならない存在なのですね。
機会があれば、私も参加してみたいと思いました!

そして準決勝の結果、猿投農林高校の阿部光治くんが男子シングルスカルの決勝に進出!
試合前にごめんね。すこーーーしだけ、お話聞かせて!

「インターハイでは、予選から準々決勝まで、自分らしい漕ぎができなかったんです。でも、さっきの準決勝の残り100mで、手ごたえを感じました。日頃から、自分を追い込むトレーニングをしてきたので、決勝でも頑張りたいです」

ボート競技の魅力について聞くと、「水上では、人力で多分一番早い乗り物。『水上のF1』と呼ばれることもあるんですよ。そういうスピード感も楽しいし、1000mあるので全体を通して作戦を立てられるのもおもしろいです」とのこと。
最後の最後に逆転!もあるそうなので、目が離せないですね!

ちなみに観戦するときのポイントなのですが…
このように、6艇が横一列に並んだきれいなスタートダッシュを観たい!撮りたい!ならスタート地点がオススメです。
ちょっと引き目で、風景を入れると絵になりますね!
ゴールの瞬間や、ラストスパートをかける上位チームを狙うなら、ゴール地点で待ちましょう。
スタートの瞬間は遠くて見えませんが、500m過ぎたあたりから「おっ!今のところあのボートが1着だな!」という感じはわかります。

なんせ彼らは、1000mを4分弱で漕ぎ抜けてしまうため、並走していては追い付けません!

観たいシーン、撮りたい瞬間をどちらかにしぼって、スタンバイしていましょう^^

そんな選手たちの様子を、離れたところで見守り、声を送っていたのが、
保護者の方々。
「ここまで、よくやってきてくれたと思いますね…本当に。どんなに大変でもつらくても、インターハイに出るために、毎日必死に頑張ってきたのを、見てきましたから」
「あの子なりに、打ち込めるものができて。青春をささげるものに出会えて。大きな大会に出るたび、私たちもいろいろなところに連れて行ってもらいました。それだけでもう、充分です」

「あとは悔いのないよう、楽しんできてほしいですね」

そう言ったお母さんの目には、涙が。

…そうですよね。
どんなときでも傍で支えてきたのは、他でもないお父さん、お母さんです。
思いもひとしおでしょうね。
そしてインタビューしながら涙ぐむ私^^;

大勢の人の、たくさんの思いを乗せて、いざ決勝戦です!
この日の、この瞬間のために。
くじけて、諦めようとしたり、
うまくいかずに自分を責めたりしたこともあったでしょう。
けれど、いつも手にはオールがありました。
ともに笑い、泣ける、仲間や家族がいました。
あとは、見えない1000m先へ向かって、
ただ全力を出すのみ!



そして、彼らの熱い夏は幕を閉じ、各種目の優勝校が決まりました。

女子シングルスカル 静岡県 浜松西高校 田口晴那さん
男子シングルスカル 福島県 会津高校 門馬健将くん
女子ダブルスカル 福井県 美方高校
男子ダブルスカル 鳥取県 米子東高校
女子舵手つきクォドルプル 福井県 美方高校
男子舵手つきクォドルプル 福井県 美方高校

猿投農林高校の阿部くんは、惜しくも2位でした!
「率直な感想としては…悔しいですね。オールが水をしっかり噛まない漕ぎが一回あって、そこで焦ってしまいました。後半ぐんぐん抜かしていったんですけど、残念です」

阿部くんは大学でもボートを続けるとのこと。
今後の彼を、私も陰ながら応援したいと思います!
今回は、夏の全国高等学校総合体育大会を密着取材しました。
彼らの純粋さ、みずみずしさと、真夏の熱気が、
混ざりあっては蒸発していくようでした。

次回のレポートも、お楽しみに^^

(ライター 光田さやか)