愛知県振興部スポーツ振興課
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名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 齋藤拓実選手
チーム、そして自分自身の実力を証明したい

 キャプテンとして、司令塔として、チームを牽引する齋藤拓実選手。
充実感も悔しさも味わった過去2シーズンを糧に、自分たちのスタイルを貫き、過去最高を塗り替える。

「このままでは終われない」

 2シーズン連続で怪我人の多さに泣かされた。
 「自分たちの力が証明できている試合があるのに、最後の最後で怪我人が出てそれを示すチャンスをもらえなかった。もどかしい気持ち、悔しい気持ち、このままでは終われないという気持ちをみんな持っていると思うし、僕自身、それをすごく感じています」。
 レギュラーシーズンでは2年連続でチームの過去最高勝率を更新し、Bリーグチャンピオンシップに進出するも、またしてもクォーターファイナルの壁に跳ね返された名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。昨シーズンのキャプテンを務めた齋藤拓実選手は、オンラインインタビューの画面越しでも伝わる程の悔しそうな表情で振り返った。
 ほとんどの選手が同じ気持ちだということは、12人中10人の選手が昨シーズンからの契約を継続したことに表れていた。「日本人選手全員が継続するのはなかなかないことだし、それくらいみんな同じ気持ちを持っていて、もう一度このメンバーでしっかりと戦い抜きたいという気持ちがあったからこそだと思う。その気持ちを忘れず、(ショーン・デニスヘッドコーチ体制の)3年目にしっかりとぶつけていきたい」と齋藤選手は新シーズンに向けて決意を新たにする。
 今シーズンの鍵はいかに万全の状態でチャンピオンシップを迎えられるかに尽きる、と言っても過言ではないだろう。アグレッシブなディフェンスでゲームを支配し、ファストブレイクや3ポイントシュートで効率良く得点を重ねるハイスコアリングゲームを展開した昨シーズンは、1試合の平均得点は85.4点でリーグ2位。アシストも22.7本で2位。リバウンドは38.8本で5位。スティールは8.1でトップ。3ポイントシュート成功率は35.5%で3位と、攻守のあらゆる面でリーグ上位の数字を残した。齋藤選手は「少なくとも過去2シーズンは、目指しているバスケットを遂行すれば勝てると自信を持っていました」と言い切る。
 齋藤選手自身も脳震盪で離脱を余儀なくされるまでは、これまでで最も充実したシーズンを過ごしていた。出場試合数がリーダーズ表彰規定に達しなかったため、ランキングの対象外にはなったが、1試合平均6.9アシストはリーグ4位に相当する。積極性を心掛けたという3ポイントシュートの試投数は過去最高の192本。シュート確率も38.5%と安定した数字を残した。
 さらに昨シーズンキャプテンに就任したことが、精神面での成長を促した。例えば、ハーフタイム。「これまではポイントガードとして、戦術面についての話をすることが多かったのですが、チャンピオンシップが近づくにつれて、気持ちを強く持つことを意識した話もするようになりました。気持ちが入っていない選手が目に付いた時には、しっかりと話をしましたし、そこは、キャプテンという立場だからこそ取り組めた部分だと思います」。
 齋藤選手が貪欲に成長を求めるのは、チームの勝利のためだけではない。日本代表入りを見据えているからだ。「今の日本代表のポイントガードは富樫勇樹選手と河村勇輝選手。そこに割って入っていかないことには自分にはチャンスがない。そのためには、フィジカルでもディフェンスでも世界で戦えるような基準に持っていかないと難しい。ドルフィンズのバスケットは日本代表のスタイルに近いと思っているので、ドルフィンズを勝利に導くことで、自分の実力を証明していきたい。特に周りを活かすことやアシストと得点のバランス、状況判断が非常に大事になると考えています」。

開幕戦は大型補強で注目のSR渋谷

 名古屋ダイヤモンドドルフィンズの2023-24シーズンは10月7日(土)にドルフィンズアリーナでティップオフを迎える。開幕戦の相手は、大型補強で今オフの話題をさらったサンロッカーズ渋谷だ。日本代表の帰化選手・ジョシュ・ホーキンソン選手や、アルバルク東京で一緒にプレーしていた2019-20シーズンのBリーグMVP・田中大貴選手が電撃移籍。ヘッドコーチにはアルバルク東京を2連覇に導いた名将・ルカ・パヴィチェヴィッチ氏が就任し、一躍優勝候補に名乗りを上げた。「色々な意味で衝撃がありますし、楽しみです」と強敵を前にしても齋藤選手の自信は揺るがない。
 「昨シーズンは僕たち選手も悔しい気持ちがありましたが、それはファンの皆さんも同じだと思います。怪我人がずっと多い中で、僕自身も離脱した一人なのですが、どんな時もドルファミ(※)の皆さんが応援してくれたおかげで、少ない人数でもしっかりと戦えました。僕が復帰した時には、待っていてくれたんだと伝わる大きな歓声が上がったことも鮮明に覚えていますし、力になりました。自分たちが求める結果、皆さんのご期待に添えるような結果を出せるよう頑張りますので、今シーズンも共に戦ってください」。
(※)ドルフィンズファンの総称


 
【あいスポくんメモ(Bリーグ)】
愛知県は4つのクラブ(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、ファイティングイーグルス名古屋、シーホース三河、三遠ネオフェニックス)がB1リーグに所属するバスケットボール王国ッス。10月に開幕するBリーグの試合をぜひチェックしよう。
(各チームのホーム開幕カード)
・10月7日(土)〜8日(日) 名古屋ダイヤモンドドルフィンズvsサンロッカーズ渋谷
ドルフィンズアリーナ
・10月7日(土)〜8日(日) ファイティングイーグルス名古屋vs広島ドラゴンフライズ
名古屋市枇杷島スポーツセンター
・10月14日(土)〜15日(日) シーホース三河vs川崎ブレイブサンダース
スカイホール豊田
・10月14日(土)〜15日(日) 三遠ネオフェニックスvs京都ハンナリーズ
豊橋市総合体育館


 
さいとう たくみ。1995年8月生まれ。神奈川県出身。桐光学園高等学校の2年生時にインターハイに出場。明治大学に進学後は、インカレでMIPを獲得し、U24日本代表候補に選出された。特別指定選手として加入したアルバルク東京では、在籍2シーズンでリーグ2連覇を経験。2019-20シーズンに滋賀レイクスに期限付き移籍し、ショーン・デニスHCの下で飛躍を遂げ、天皇杯ベスト4進出に大きく貢献した。2020-21シーズンに名古屋ダイヤモンドドルフィンズに加入し、ポイントガードとして活躍中。2021年には日本代表候補にも選出されている。

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